No.1「校長先生って毎日何をしているんですか?」
 校長として着任して間もない頃、寮食堂で食事中の寮生に「校長先生って毎日何をしているんですか?」と尋ねられました。「うーむ」と考え込んでしまいました。書類に判子を押していることは事実ですが、それが彼の問いへの答えになっているわけではありません。一口で言うのは難しいので、ホームページに「校長からのメッセージ」を掲載することにしました。 「校長が何をしているか」とか「学校の運営方針の基礎となっている考え方」などがわかっていただけるように、記事を適宜更新していきます。「面白くて、毎回読んでいます」と言われるようにしたいものです。
 さて、今日から後期授業がはじまります。夏休み明けの新型インフルエンザの急速な広がりが心配なので、体育館に全校生を集めて行う予定になっていた「校長講話」もインターネット上で行うように変更しました。本校生はこのページにリンクされている校長講話ページを読まねばなりません。
 私は高校時代には生物学を毛嫌いしていたように思います。丸暗記することが多いからです。逆に物理は暗記事項が少ないので、比較的好きでした。ところが最近は、生物にどんどん興味がわいてきました。これは年のせいばかりでなく、最近の生物学は分子科学と密接な関係を保ちつつ急激に発展しているスリリングな分野であるというところに惹かれるのです。話題のインフルエンザウイルスも大変面白いものです。これは厳密な意味で生物ではありませんが、人間などの生物の細胞をちゃっかり借りて大量の自己複製品を造り、増殖していきます。地球上に生物の原型となる分子ができて以来、生物進化過程のある時期にこのウイルスもできたわけでしょうが、しぶとくDNAを受け継いでいき、われわれを悩ませる仕組みには感心します。
ところで、コンピュータウイルスの起源は、本当のウイルスの動きをまねるプログラムの開発にあったのでしょうか。ご存知の方はお教えください。

No.2 「校長は作文もします」
 今日は校長講話の日です。例年なら全校生を体育館に集めて話をするのですが、今回はインフルエンザ対策のため行事がとりやめになりました。その代わり、読み物としての校長講話を用意しました。約1200字ありますが、結局は簡単な話で、10文字で要約できます。
 判子を押すこと以外の校長の仕事のひとつに文章を書くことがあります。学校が発行している各種の印刷物に載せるため、しょっちゅう作文をしています。もちろん入学式や卒業式の式辞もゴーストライターがいるわけではありません。最近の刊行物としては、7月発行の学生寮誌「嶺陽」や9月発行の「呉高専だより」の巻頭部分に校長の原稿が載っていますが、限られた人にしか配布していないので、読者は極めて少ないのではないでしょうか。せっかく時間とエネルギーを費やして書いたので、HP上で公開して多くの人に見ていただける様にしたいと思います。

No.3「英語のスピーチ」
 毎年10月から11月にかけて、全国の高専生が競い合う色々なコンテストが開催されます。ロボコン、プロコン、デザコンなどです。全ての会場に行くことはできませんので、本校HPで「呉高専日誌」の紹介記事を見ながら呉高専チームの活躍ぶりを想像しています。
 呉市で開催された中国地区高等専門学校英語弁論大会では、大変立派な暗唱とスピーチが次々と発表されるのを聴き、高専生の英語力もたいしたものだと感心しました。 
 英語弁論大会開始前の余興でしょうか(?)、主管校校長として英語で何かを話すように求められました。そこで、思いつくままに、つたない英語で次のようなことを言いました。(言ったつもりです。)
  1. 私は人間が「ことば」を獲得するしくみに興味を持っている。
  2. 「世界各地の外国語を互いに理解できるようになるのはなぜだろうかと」いうのは私にとって長年の謎であった。
  3. この謎が解けたと感じたのは「世界中の全ての人間はアフリカで誕生した唯一の母を祖先として共有している」という現代科学の発見を知ったときである。私は、これこそ20世紀最大の発見であると思う。
  4. アフリカを出発した我々の祖先が、数万年かけてユーラシアから南米まで居住地を広げていく過程で諸言語が生まれてきたと考えると、全ての人間語は親類であり、互いに翻訳可能であることは納得できる。
  5. 外国語を学ぶことは、異文化を学ぶことでもあり、また人類が共有している言語機能について学ぶことであるともいえる。
  6. 高専の英語科目は、単にグローバル社会の技術者に必要なコミュニケーション力をつけることだけが目的ではない。ましてや、TOEICの点数をあげるために勉強をするわけではないということに留意してほしい。

 あとで、二人の外国人教員の方からコメントを頂きました。一人は"「20世紀最大の発見」について、自分も同意見である"とのこと。もう一人からは"今日のスピーチの中では校長が最もへただった"という評価でした。

 

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