式 辞

森野 数博 校長

森野校長 実りの秋まっただ中の今日の佳き日、文部科学省から牛尾則文様、国立高等専門学校機構から小畑秀文様、また地元から呉市長の小村和年様、広島大学の坂越正樹様を始め多くのご来賓のみなさまをお迎えして、ここに呉工業高等専門学校創立50周年記念式典を挙行できますことは、本校教職員、ならびに在校生、保護者、同窓生など関係者一同の大きな喜びであり、ご臨席のみなさま方に対し、心から御礼申し上げます。

 呉高専が誕生して半世紀。この間、本校関係者はもちろんですが、多くの方々から数知れないご支援やご尽力をいただき、おかげさまで無事、今日を迎えることができました。いただきましたみなさま方のお力添えに対し、本校を代表して、改めてここに、感謝の意を表したいと存じます。

 呉工業高等専門学校が産声を上げた昭和39年、日本は東京オリンピックに沸き立っていました。敗戦後の日本の復興ぶりを世界に示すべく、国民が一丸となり、一人ひとりがなしうる役割を果たしていました。なかでも技術の進歩は目を見張るものがありました。夢の鉄道といわれた東海道新幹線が開業し、テレビはカラー画像となり、街は都市計画のもとで整理がなされ、高速道路網も整備されました。これら技術の進歩が国民に与えた自信は大きく、そのような活況を呈するなかで呉高専は誕生しました。

 「呉」はまた、我が国にとって特別な存在でありました。ご承知のように、ここ呉は旧海軍の軍港が置かれ、かつては東洋一の技術力を誇った海軍工廠を有し、戦艦大和を造り上げた町であります。このように、呉高専は、時代の要請のなかで、とりわけ大きな期待のもとで開校いたしました。

 爾来50年、機械工学科、電気工学科、建築学科の3学科で発足した本校は、昭和44年に土木工学科を新設して4学科体制となり、途中一部改組はありましたが、基本的に設立当初の体制を保ち、今日に至っております。また、平成10年には専攻科を設置し、技術の高度化に対応する体制を整えました。この間、6870名に及ぶ優れた人材を、広島県をはじめ全国各地に送り出してきましたが、卒業生のみなさまは産業界の多種多様な分野で活躍され、我が国の高度経済成長を支える中心的役割を果たすなど、社会から高い評価を得てきました。本日の記念行事に先立ち「創立50周年記念同窓会名簿」が刊行されましたが、それを手にしたとき、先人達が築き上げてこられた歴史的重みを、改めて“ずしり“と感じたことでした。

 しかしいま、我が国を取り巻く社会経済環境はめまぐるしく変化しており、日本のものづくりは日々新たな局面に立たされています。平成20年12月の中央教育審議会答申「高等専門学校教育の充実について」において総括されましたように、高専創設以来の実績を高く評価した上で、今後は、我が国のものづくり技術力の継承・発展とイノベーションの創出に貢献しうる人材、とりわけグローバル化に対応できる人材の育成が強く求められています。今後さらなる変化が予想される社会状況に対応し、これからの半世紀を生き残るため、呉高専では学生を“世界目線”の技術者へと孵化させる「地域発・インキュベーション型教育」を推進し、多様性を涵養することにより、「ひとつ高い目線や意識をもつ高度なものづくりの中核技術者」を輩出するとともに、「社会を変える人材」をも育成すべく、専攻科の改組も含め、鋭意教育改革を進めているところです。

 「Realize Your Dream」 本校が掲げているキャッチフレーズです。「君の未来を共に創り、君の夢を実現する。そして、君には人々の夢を叶えて欲しい」 これが、呉高専が社会に対して行っている約束ごと。

 「呉」はいまも、日本を代表する工業都市のひとつであることに変わりはありません。恵まれた地域に立脚していることをいま改めて思い起こし、日本のものづくりの拠点として、それにふさわしい人材を輩出したいと考えています。

 夢をカタチに、これからも・・・

 みなさま方に支えられ、50年にわたり歴史を紡いでまいりましたが、これまでの半世紀の歴史に感謝しつつ、これからの半世紀に向け、我々自身の可能性を信じ、全校あげて精進を続けてまいりたい。そして、我々自身がこれからも成長を続け、地域のみなさまと連携を深めながら有為な人材を輩出することにより地域ともども世界に向けて大きく飛躍し、人類の未来に貢献せんことを誓い、式辞といたします。

平成二十六年十月二十五日
独立行政法人国立高等専門学校機構
呉工業高等専門学校長
森 野 数 博



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