令和2年5月29日
学生のみなさん
保護者のみなさま

呉工業高等専門学校 
校  長 篠﨑 賢二

新型コロナウイルス対応について

 本校では、新学期開始後に、広島県内でも新型コロナウイルスの感染リスクが現実のものとなり、4月13日から臨時休校にするとともに、遠隔授業を試行してきました。さらに4月17日に政府による緊急事態宣言が全都道府県に拡大され、全国で一斉に行動の自粛が要請されたことを受けて、5月7日以降も休校を延長し、遠隔授業を本格化して、拡大してきました。
 現在、5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降、社会では、「社会的距離」を維持し、いわゆる「三密」を避けるなど、「新しい生活様式」が模索されています。教育の現場でも「教育の新しい生活様式」が模索される中で、広島県内の小中高校では、6月1日から授業再開を予定されています。
 こうした中で、本校では、6月以降も遠隔授業を継続して実施することにしました。本校では、40名以上の教室での授業、公共交通機関を利用した通学、約300名の学生寮生活などの問題点をチェックして、どのようにしたら安全な環境の中で教育を実施できるか検討を重ねています。また遠隔授業につきましても、緊急避難として実施するのではなく、情報通信技術を積極的に活用した新しい教育のあり方を模索する方向で試行しています。
 本校では、6月以降も遠隔授業を継続するとともに、6月8日以降は、5年生、専攻科生に限定して、学生寮に戻ることを許可して、遠隔授業とともに、卒業研究、実験実習だけは学校内で実施する予定です。5年生や専攻科2年生は、卒業年度であり他の学年以上に授業を進めなければならないこと、5年と専攻科の寮生だけであれば人数が少ないため学生寮の「三密」状態を避けやすいこと、教室での授業については遠隔授業を継続すること、以上の事情を勘案して、決定しました。
 卒業研究や実験実習以外の5年生の授業、4年生以下の授業については、緊急事態宣言解除後の状況を見極め、「教育の新しい生活様式」をどのように徹底するか準備を重ねてから、学校での対面授業を再開する予定です。遠隔授業については、今後も6月、7月と継続することになりますが、新型コロナウイルス蔓延という仕方のない事情で始まったとは言え、本校では、「情報通信技術を活用した新しい教育」の模索としても積極的に考えていきます。
 長期にわたる遠隔授業は、登校して友だちと会うことができないこと、クラブ活動をできないこと、遠隔授業についても教員側のスキルもまだまだ十分ではないこと、家にいる時間が長いことなど、さまざまな問題も抱えており、多少なりともつらさを感じたりする学生もいるかもしれません。そうしたときには、担任、授業担当の先生、学生相談室などに連絡してください。ただ、このような機会だからこそ自分を振り返り、勉強の仕方を再考したり、読書で色々な知識を吸収したりしてほしいと思います。
 新型コロナウイルスの影響は、数週間、数ヶ月ではなく、数年に及ぶのではないかとも言われています。呉高専では、学生のみなさんとともに、新しい時代の教育、生活を築きあげていきたいと考えています。今後とも、ご協力をお願いいたします。

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