癌を光らせて見つける新しい技術
担当:自然科学系分野 田中 慎一
本校と大阪大学(新岡宏彦特任准教授)と兵庫県立大学(和達大樹教授)との共同研究で、癌を見つけるための新しい医療診断用の蛍光試薬の開発に成功しました。
この蛍光試薬は体の中に入れても無毒な金属(白金)でできていて、癌細胞だけを選択的に検出できるように、癌細胞のみが持っている特殊なタンパク質(HER2)に結合できるように設計しています。
実際に、この蛍光試薬を転移性の乳癌細胞(SK-BR-3)へ与えたところ、乳癌細胞の表面に存在するHER2に結合し、明るく光っている様子を観察することができました。
蛍光像 | 明視野像 | 蛍光像と明視野像を重ねた像 |
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さらに、この蛍光試薬は体の中からでも観察できる赤色から近赤外の光を発するので、本研究をさらに進めていくことで、将来的に初期の癌や転移課程の癌の検出・診断への臨床応用も期待されます。
本研究成果は国際的な学術雑誌ACS OMEGAで発表されます。