―広島大学・呉高専発の新しい大学院進学制度―
広島大学・呉高専連携大学院進学制度について
本制度の趣旨と特徴
呉高専専攻科から広島大学大学院(先進理工系科学研究科)に進学するための、前例のない新しい試みとして、広島大学・呉高専連携大学院進学制度が創設されました。
本制度では、呉高専専攻科1年生が指導教員を介して広島大学の教員との共同研究に参加し、研究活動における長期的な総合的能力評価に基づき、翌年の大学院推薦入試の受験資格が与えられます。ここでの研究活動とは、大学研究室のゼミに参加し、大学教員と高専教員による指導の下で大学生、大学院生とともに課題に取り組み、研究の実施や発表を行うなどの活動です。大学研究室の一員としてこのような研究活動を継続しながら、当該研究室に進学することを主眼としている点がこの制度の大きな特長です。すなわち、専攻科1年生の時点で大学院での活動を体験することができ、両機関の教員から研究指導を受けることで、早期に大学院への進学を進路として思い描くことができるため、より一層研究活動に集中できます。
本制度の構築にあたっては、試行しながら考えるという方針の下で2022年4月より両機関が連携して検討を開始し、2023年1月26日に博士課程前期推薦入試に係る連携協定を締結のうえ、両機関の教員の共同研究に基づく学生と研究室とのマッチング制度化に関して合意がなされました。その後、両機関における運用方法の具体的な検討や関係教員の尽力により、共同研究の形態や学生の関与、評価方法などの模索・試行が続けられました。
そして、このたび2024年7月に本制度による合格者3名が発表されるに至り、2024年11月12日に両機関の関係者が集まり本制度の促進式を挙行しました。
なお、本制度は高専と大学の教員間の共同研究を前提とし、大学・高専間の協定に基づき、現行の大学院博士課程前期推薦入試制度の枠内で運用しています。
![]() 広島大学・呉高専連携大学院進学制度の枠組み |
特徴(参加者全員がWinWin)
・高専教員と大学教員による一貫した人材育成と研究推進
・高専教員と大学教員の共同研究契約(大学研究室を中心に推進)
・高専教員が研究指導する学生を大学研究室で受け入れシームレスに指導
・学生は大学院へ進学(推薦入試制度により現行制度の枠組みで実施)
学生の指導体制
・研究グループ全体での一貫的な指導、学会参加などの資金援助
これまでの経緯
協定式 2023年1月26日 於 広島大学
「広島大学大学院先進理工系科学研究科博士課程前期推薦入試に係る呉工業高等専門学校専攻科との連携協定」の協定式を挙行しました。
![]() 呉工業高等専門学校 餘利野校長㊧と広島大学大学院先進理工系科学研究科 高田研究科長㊨(当時) |
共同研究の開始 2023年8月 於 広島大学および呉高専
呉高専の専攻科生が広島大学大学院先進理工系科学研究科の研究室のゼミに参加し、共同研究を始めました。
![]() 電気エネルギー制御プログラム造賀研究室での研究進捗報告会の様子 |
校長の特別推薦 2023年12月
呉高専の専攻科生の研究の進捗について、広島大学の教員から一定の評価が得られ、呉高専校長がその学生を広島大学大学院先進理工系科学研究科に対して特別推薦しました。
その結果、2024年1月に広島大学大学院先進理工系科学研究科博士課程前期推薦入試の受験資格が認められました。
広島大学大学院先進理工系科学研究科博士課程前期推薦入試 2024年7月 於 広島大学
大学院推薦入試の受験資格が与えられた専攻科2年生3名の学生が推薦入試を受け、合格しました。
![]() 広島大学工学部 |
広島大学・呉高専連携大学院進学制度促進式 2024年11月12日 於 呉高専
2024年7月17日に専攻科2年生3名の合格発表があり、その後、専攻科1年生7名が本制度での共同研究を進めています。広島大学・呉高専発の本制度をさらに充実させ、他高専や他大学への展開も祈念して、促進式を挙行しました。
また、促進式では広島大学創立75+75周年、呉高専創立60周年も併せてお祝いしました。
![]() 広島大学・呉高専連携大学院進学制度促進式で集まった広島大学と呉高専の関係教職員 |
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![]() 広島大学大学院先進理工系科学研究科 茶谷研究科長の挨拶 |
![]() 呉工業高等専門学校 餘利野校長の挨拶 |