校長あいさつ
地域社会に貢献できる優秀な技術者の育成
国際紛争、気候変動、食料危機、エネルギー問題、新型コロナ感染症など地球規模の深刻な問題が拡大し、日本ではさらに、少子高齢化、労働者人口の減少、多発する自然災害のほか、国際協調の不安定化に伴うリスクにも直面しています。そのうえ、脱炭素化社会の実現とインフラを含む国土の強靱化など、不断の取り組みが必要な重要な課題も抱えています。課題解決にあたっては、あらゆる分野の知を結集し、産業界、自治体、地域社会での実践的な取り組みが必要とされ、確固たる基礎学力をベースに知識を総合化し、地球的視点でものごとの本質を考えることができる優秀な技術者の育成が不可欠です。優秀な技術者の育成に実績のある呉高専と、実践力のある高専の卒業生には企業・大学・自治体などから多くの期待が集まっています。 中学生の段階で工学に興味を持ち、高専を選んで入学してきた皆さんを優秀な技術者にするために、呉高専では多くの教育プログラムを用意しています。中でも、自ら課題を見出し、アイデアを創出し、それを具現化できる、いわゆる「プロジェクトをデザインできる人材」を育成すべく、全校あげて「インキュベーションワーク」に取り組んでいます。併せて、専攻科の改組により定員も大幅に増員され7 年一貫工学教育の体制が強化されました。また、将来の日本を担う研究者・技術者として、大学の理工系学部や大学院への人材供給の期待を受け、2022年度より大学・大学院への連携一貫教育および連携研究体制の構築と強化を進めています。さらに、2023年度には「呉高専地域コンソーシアム」を設立し、呉市・くれ産業振興センターとの3者協定を締結しました。今後、この地域連携体制に基づく教育の充実を進めます。 呉高専ではこのような教育を通じ、学生を全力でサポートし、世界・日本・地域の課題解決に貢献できる優秀かつ実践力のある技術者を、地域と共に育てたいと考えています。 |
校長 餘利野 直人 工学博士 |